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2013年 vol.23

母の日のプレゼント

こんにちは、佐藤です。

先日、母から連絡があった。
「ちょっとお昼にランチでもどうや?」

大阪のあるレストランを予約した。
テーブルにつくと
「おかあちゃんなぁ。学校がこんなに楽しいとはおもわんかった」
と話してくれた。

私の母は幼い頃、ある事情から施設に預けられ小学校を卒業すると働き出した。
68 歳から夜間中学校に入学して現在、三年生になる。

「ちょっとした時間の隙間があったら
先生に教えてもらった漢字をつかって日記をかいているんや」と
漢字ノート(日記帳)をカバンの中から取り出し私にみせた。

母の顔がイキイキしている。
学ぶことが生き甲斐になっている。

「おかあちゃん がんばってるなぁ」
私まで目もとが緩む。

「今日は何かあるん?」と聞いた。
すると母は姿勢を正した。

「おかあちゃんな地域の夜間中学校の集まりがあって
その団体の役員になってん」と胸を張って自慢げに言う。

「6 月に東京で夜間中学の役員さんが全国からあつまって会議をするんや。
そこで代表の挨拶をせなあかんねん。あんたっ 聞いてくれるか?」

「えっ?代表の挨拶?」と戸惑っている私にはお構いなしに
「今から読むで」とクリアファイルからA4サイズの白い紙を二枚取り出した。

「みなさん、こんにちは!・・・
全国から・・・・
こうした集まりが・・・
1 人ひとりの力を合わせて・・・
ありがとうございました」

5分程度の演説?が終わった。

パチパチパチ
小さく手をたたいた。

母はメガネを外して「どうやった?」私をみた。

「よかったよ!堂々としてるところがええな」
「500人の前で話すねん」
「すごいやん!」

70という年齢になっても
自分が世間から必要とされていることに充実感があるようだ。

母は続けて「そうやろ。あんたも自慢できるやろ」と言った。

「自慢はどうか分からんけど・・すごいわ」
と話すと、母は少し声を抑えて
「だからな。。新しい靴が欲しいねん」と目線を上にした。

そこかぁ。。やられた!

「ええ靴を買いぃな。母の日のプレゼントするよ」
というと母は嬉しそうな顔をした。

たわいもない会話だけれど、とても楽しく幸せな時間だった。

一生懸命に育ててくれた恩はどこまで返せるか分からないけれど
ずっと支えて行こうと誓った。

 

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